近年、公正証書遺言を利用する人が増えています。
日本公証人連合会の調査では2000年(平成18年)に3400件だったものが、2014年(平成26年)には5900件と大幅に増え、2015年(平成27年)には初めて1万件の大台を突破しています。
なぜこのように大幅に伸びているのでしょうか。
元来日本人の国民性として「和をもって尊しとなす」「争いを好まない」ということが特長として挙げられてきました。 しかしその反面として物事をついつい先送りしてしまったり、周りが察してくれるであろうことに期待して自分の意思を明確に示さない、また権利内容を書面化することの潜在的な抵抗感から、後日になって不必要な紛争を招いてしまう傾向にありました。
しかし、相続分野においては金銭債権や不動産の帰属もさることながら、親族ならではの感情的なしがらみも存在するため、一旦争いが起きた場合には長期化・深刻化する場合も少なくありません。
公正証書遺言は安全・確実に遺言者の想いを書面に遺し、相続や遺贈を受けた者たちはそれを元に迅速に手続きを進めることができ、不毛な紛争を未然に防ぐことができます。
近年の公正証書遺言利用数の増加は、少子高齢化が進む日本の反射的効果として、やはり親子・兄弟・親族はより円満であってほしいという気持ちの表れとも言えるでしょう。
言い換えると、『後日のトラブルを未然に防ぐことができる』ということなのです。
また、体力面の問題などから公証人役場に赴くことが困難な場合には、公証人に病院・施設などへ出張してもらうことも可能
です(※別途要実費)。
公正証書遺言の作成手順は以下の流れになります。